
はじめに
今の自分自身はこれまでの過去の自分自身の経験、体験、努力によって成り立っており、置き換えれば未来の自分自身を今まさに自らの手で創造していると言えます。
JCに入会し間もない頃、私はとある先輩から2つの質問をされました。
■「何故あなたはJCに入っているのですか?」
私は「成長の機会を求めて」と答えました。JC活動を通して多くの人と出会い、様々な成長の機会をこの八幡浜青年会議所から頂き、物事の見方や考え方のバリエーションが増え、短期間ではありますが人として成長をさせて頂いたと感じていました。
■「あなたの思うJCという組織の存在意義って何ですか?」
私は当時答えに詰まりました。自分自身にとって、また当時一緒に活動している仲間にとっての組織の存在意味はあったとしても、第三者から見た青年会議所の存在意義についてこれまで考えたことも無かったからです。我々が行っているJC活動は単に自らの成長に繋げる、自己満足になってしまっているのではないだろうか。
目の前にあるものばかりに集中してしまい、当初目標を達成するための努力だったものが、いつしか自分の中での目標に置き換わってしまってはいないだろうか。本来の目的を見失ってしまうということは、今まさにやるべきこと、行動に起こさなければならないことを見失い、本来あまり関係ないものに時間を割いてしまう。場合によってはせっかく努力していることが、我に返った瞬間「一体自分は何をしているんだろう...」と虚しささえ感じることがあるかもしれません。自らが行っていることに対し、自問自答を繰り返すことは、目的達成のための軌道修正に必要不可欠なことです。常に先を見据え、今とっている行動の意味を理解することで、私たちは有意義な時間過ごし、またその時間を仲間とともに共有することで目標達成のための一歩を踏み出すことができるのです。
青年の活躍の場として
四国で初めて、全国で27番目に青年会議所活動の火を灯した歴史ある八幡浜青年会議所。これからも我々の運動の火を絶やさないため、またこのまちに必要とされる組織であり続けるためにも私たちには仲間が必要です。個性は組織に多様性をもたらし、新たな仲 間は新しい風を吹かせます。この八幡浜青年会議所がより開けた組織となることで、このまちで活躍する人財、また新たに活躍の場を求めている青年たちが集い、今後の運動を最大化できる組織となり、これからもこのまちに必要とされる存在であり続けなければなりません。これまで先人たちが築き上げてこられたこの青年会議所の伝統を守りつつ、これからの時代に合った組織へと進化すべく、新たな試みに積極的に挑戦してまいります。
魅せる力、伝える力
情報の伝え方が多様化した昨今、受け手側に入ってくる情報量も非常に多くなってきました。姿の見えない伝えたい相手に対し、まちの魅力、八幡浜青年会議所の運動を届けるためには組織としての発信力の更なる強化が必要です。新型コロナ感染拡大の影響は我々の活動において「リアル」と「WEB」という2つの選択肢を与え、各地会員会議所はじめ全国の仲間との交流が気軽に行えるようになりました。また近年、実施事業においてもWEBに特化したものやWEB参加型のものも増え、八幡浜という決して大きくないまちであってもバリエーション豊かな事業を展開することが可能となりました。世界的なパンデミックが今後終息した後も我々にとって重要な選択肢、手法の一つとして更なるWEBを活用した発信力の強化に努めてまいります。
新たな挑戦、その先に
今私たちが住み暮らすこのまちは、先人たちが築き上げたものであり、20年後の我々と年を同じくする青年たちのためにも、私たちはさらに豊かで住みよいまちへと進化させ、またそのための運動を続けていく責務があります。まずは我々の運動を知って頂くためにも、この八幡浜青年会議所という組織がもっと開けた組織、市民のどの世代にとっても近い存在とならなくてはなりません。我々が主体性を持った運動に多くの他団体や市民 が共感をし、ともにこのまちを良くしたいという共通の想いのもと集いうことで伝わる想いは大きくなりまちを超え、全国の同じように故郷を想う人たちへと届くようになります。単年度制のまちづくりだからこそ、これまで培われた多くのノウハウや経験は、これからも形は変わろうとも、このまちを想う心として受け継がれていきます。2023年度のまちづくり事業を通し、このまちに大きな笑顔と思い出を、そして我々メンバーにとっても大きな成長の機会を提供してまいります。
必要とされる組織として
「歌声がきこえてくる心豊かな街」をスローガンに設立された八幡浜児童合唱団は本年、設立50周年という大きな節目を迎えようとしています。近年、少子化や子どもたち の習い事の多様化、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり団員数は一時期に比べ減少傾向にはありますが、それでも今までと変わらずこのまちの青少年教育の一助としてなくてはならない存在であることは間違いありません。また各校の学校長はじめ音楽教員やまちの音楽指導者、育成会、行政や教育委員会、市内の団体、保護者など大変多くの市民や団体が関わる合唱団は全国でこの八幡浜児童合唱団ただ1つであり、間違いなくこのまち の宝です。我々青年会議所も団の運営を担うことで多くの出会いや学びの場を頂き、これまでメンバー個人としてはもちろん、組織として大きな経験値を頂いてきました。2024年以降も続いていく八幡浜児童合唱団の50周年という大切な節目を、これまで一緒に支えて頂いた皆様とともに祝えるよう、そしてこれまで50年間の感謝の気持ちを込め盛大に「八幡浜児童合唱団 第50回 定期演奏発表会」を開催いたします。
結びに
入会から約7年、理事長という大役に挑戦させて頂くにあたり、改めてこの2つの質問と向き合いました。
■「何故あなたはJCに入っているのですか?」
私はこれまで多くの成長の機会、学びの場を八幡浜青年会議所に所属することで頂くことができました。しかし、それはただ所属しているだけで経験できたものではなく、たくさんの先輩方に機会を頂くことで得られたものであり、たくさんの仲間に支えてもらうことで、青年会議所活動に費やした時間を自分自身にとって有意義なものとすることができました。残り少なくなった在籍期間、より多くのメンバーが成長の機会と巡り合うことができるように、そしてその時は私自身がして頂いたように支え寄り添い、この青年会議所活動に費やした時間が有意義なものだったと感じてもらいたい。
■「あなたの思うJCという組織の存在意義って何ですか?」
このまちを良くしたい、誰かの役にたちたい、成長したい、経験を積みたい、それは置き換えると自分自身が活躍をする場、挑戦する場を求めていることではないだろうか。そうして72年前に集まった若者たちによって、この八幡浜青年会議所は設立され、これまで多くの先輩方がこのまちの発展に寄与されてこられました。その世代ごとの志ある青年たちが限られた時間の中でともに同じ時を過ごし、切磋琢磨し合い、成長した姿でまた次の世代へとバトンを繋いでいく。この循環がきっとこのまちを元気に、そしてより良くしていくと私は信じています。
現在の自分自身に創り育てたのは過去の自分自身。そして、未来の自分を創り育てるのは今の自分。私たちの住み暮らすまちも同じです。2023年、今一度メンバー1人1人がまちの未来を、自らの未来を見つめ直し、限りある時間の中で今私たちは何をすべきなのかを模索し、行動し、10年、20年後、振り返った時にあの1年があって良かったと1人でも多く思って頂けるような1年間を提供できるよう自らの役割を全うしてまいります。
一般社団法人八幡浜青年会議所 第72代理事長 國安 健太
2023年度スローガン